
戦後、前衛芸術の潮流が押し寄せる中、石本 正は一貫して独自の「官能美」を探求し続けました。
1971年に日本芸術大賞および芸術選奨文部大臣賞を受賞しながらも、それ以後は一切の賞を辞退し、地位や名声よりも絵画一筋に人生を捧げたその真摯な姿勢は、今もなお多くの人々の心を惹きつけ、語り継がれています。
石本にとって「女性」とは美の象徴であり、聖なる存在そのものでした。石本と親交が深かった文豪・川端康成は、その舞妓立像を「石本観音」と称え、深く慈しみました。
石本の探求は晩年にかけてさらに深化し、普遍的な美を体現する「裸婦」へと至ります。透き通るような肌の質感、優美な曲線、そして静謳で神秘的な佇まいと画面に漂う深遠な妖艶さは、まさに石本芸術の極致を物語っています。

「舞妓座像」90.5 × 60.8cm

「回想」113.8 x 66.5cm

「裸婦」73.2 x 53.5cm

「蘇る思ひ」49.2 × 82.9cm

「青韻」94.2 × 59.6cm
石本 正(いしもと しょう)略歴
- 1920年(大正9年)
- 島根県那賀郡岡見村(現浜田市三隅町岡見)に生まれる
- 1944年(昭和19年)
- 京都市立絵画専門学校(現京都市立芸術大学)日本画科卒業
- 1950年(昭和25年)
- 創造美術展に出品
- 1951年(昭和26年)
- 新制作協会展に初出品
- 1970年(昭和45年)
- 京都市立芸術大学教授となる
- 1971年(昭和46年
- 日本芸術大賞、芸術選奨文部大臣賞を受賞する
以後すべての賞を辞退する
- 1974年(昭和49年)
- 「創画会」結成に参加する
- 1991年(平成3年)
- 京都造形芸術大学(現京都芸術大学)開学 教授となる
- 2001年(平成13年)
- 故郷への作品寄贈を機に「石正美術館」開館
- 2015年(平成27年)
- 95歳にて逝去
- 2021年(令和3年)
〜2023年(令和5年) - 生誕100年回顧展 石本正
(島根県立美術館、一宮市三岸節子記念美術館、
浜松市秋野不矩美術館、浜田市立石正美術館、
京都市京セラ美術館)

「ウルビーノ」74.9 x 96.4cm

「舞妓立像」61.4 × 39.8cm




