生命の軌跡
『鳥獣も草も樹も、魚も昆虫も、人も、この世の総ての生き物は、
命の惑星「地球」から命を頂いたものです。
原始の地球では生き物たちは、平等にその生命を
全うしておりました。』と堀文子は言葉を残している。
物質文明が極まったこの世界で、人間はいつしか地球が
自分たちだけのものでない事を歴史の彼方へ忘却してしまった。
かつて地球の生命が未だ平等であった頃の世界を
夢想した堀文子。
彼女の優しい眼差しはすべての生命を等しく見つめる。
堀 文子 略歴
- 1918年
- 東京府麹町区平河町(現千代田区平河町)に生まれる
- 1938年
- 福田豊四郎を訪ね、通い始める
- 1940年
- 女子美術専門学校(現女子美術大学)卒業
- 1950年
- 創造美術会員となる
- 1952年
- 第2回上村松園賞受賞
- 1961年
- エジプト・ギリシャ・イタリア・フランス・アメリカ・メキシコを巡る
- 1967年
- 神奈川県中群大磯町に転居
- 1974年
- 創画会発足、会員となる
多摩美術大学教授となる - 1979年
- 長野県北佐久群軽井沢町にアトリエを構え、大磯と行き来する
- 1987年
- イタリア・トスカーナ地方の古都アレッツォ郊外にアトリエを持つ
- 1989年
- ユーロパリア1989・ジャパン現代日本画展(ベルギー)
- 1990年
- ユーロパリアジャパン帰朝記念現代日本画展(日本橋三越本店)
- 1992年
- 堀文子日本画展(イタリアアレッツォ市)
イタリアの住居を引き払う - 1995年
- アマゾンの熱帯雨林、メキシコのタスコ、マヤ遺跡の取材
- 1998年
- ペルーにインカ文明を取材
- 1999年
- 創画会退会、自由な身で制作活動を行う
ヒマラヤ山麓を取材旅行
多摩美術大学客員教授を退任 - 2000年
- ヒマラヤ山脈の高地を踏破、ブルーポピーを描く
- 2019年
- 平塚市にて逝去 享年100