中川一政 『箱根駒ヶ岳』100号F
小杉小二郎 『サン・レミの花と果物』30号F
真鶴、福浦海岸の突堤に二人の画家がキャンバスを並べている。
一人は矍鑠とした老画家、少し距離を置いて大柄な青年画家。
絵を描くことは、自分の魂で存在の魂をつかみ取ること。
技術も知識も、伝統の重みも、憧れの強さも、全てを越えて、
自分の絵は魂の絵なのだと、思いは無言のままに伝えられる。
薔薇、向日葵、マジョリカの壺、箱根駒ヶ岳、鯛、サンレミの村、
ダリア、三色すみれ、パリ郊外、小さな教会、聖書の物語・・・
世界は絵の中でどこまでも広がる。
師弟の年齢差は半世紀。
キャンバスの距離は数メートル。
魂の距離は、多分、誤差の範囲内。
中川一政 『向日葵』20号F
小杉小二郎 『窓辺の赤い壷』30号F
『薔薇』30号F
『椿』15号F
中川一政 NAKAGAWA KAZUMASA
- 1893年
- 東京市本郷区駒込西方町(現在の文京区西方)に生まれる
- 1922年
- 春陽会が設立され萬鉄五郎、岸田劉生らと共に同会客員となる
- 1947年
- 「中川一政作品展」(日本橋三越)
- 1949年
- 神奈川県真鶴町にアトリエを構える
- 1958年
- 「中川一政新作展」(日本橋髙島屋)
- 1967年
- 箱根駒ヶ岳の制作をはじめる
- 1970年
- 小杉小二郎と共に渡仏
- 1972年
- 「中川一政自選展」《椿》《駒ヶ岳》《福浦》などを出品(名古屋松坂屋)
- 1975年
- 中国文化交流使節日本美術家代表団の名誉団長として訪中
文化勲章受章 - 1990年
- 「現代日本絵画巨匠二人展/奥村土牛・中川一政」
(パリ市立カルナバレ博物館) - 1991年
- 湯河原にて逝去 享年97
『海辺の唄(Ⅱ)』50号F
『ノルマンディの船着場』50号P
小杉小二郎 KOSUGI KOJIRO
- 1944年
- 東京都北区田端に生まれる
祖父は日本画家・小杉放菴 - 1968年
- 画家を志し中川一政に師事
- 1970年
- 中川一政に随い渡仏
師の妻の急病に伴い一時帰国するも岡鹿之助の後押しにより再び渡仏 - 1971年
- サロン・ドートンヌに出品
- 1976年
- この頃からサン・レミを拠点に制作
- 1980年
- サロン・デ・アンデパンダン会員となる
- 1991年
- 「巴里、漂う時の流れ 小杉小二郎展」(有楽町アートフォーラム 他)
- 2005年
- 「巴里 穏やかに時は流れ 小杉小二郎展」(日本橋三越 他)
出品作「月・追憶」が第29回 損保ジャパン東郷青児美術館大賞受賞 - 2020年
- 「-日常からの遁走 穏やかに時は流れ- 小杉小二郎展」
(日本橋/横浜/名古屋/大阪 髙島屋)